葛の匠が生み出す、純白の吉野本葛
吉野本葛の原料は、山野に自生するマメ科の植物「葛(クズ)」の根っこです。秋に紫色の美しい花を咲かせる葛ですが、
地中に伸びる根は巨大。日本ではこの根を1300年以上も前から食用・薬用として生活に取り入れていました。
さらに江戸時代には葛を水に晒す技術が確立し、全国各地で葛粉が作られるようになったのです。
なかでも奈良県吉野地方では、冬場の冷たい地下水に葛を晒す「吉野晒」という製法が編み出され、葛粉の生産が盛んに。
職人が何度も葛のデンプン質を水に晒すことで作り出す葛粉は、美しい純白に仕上がることから「吉野本葛」と呼ばれ、独自のブランドを確立するようになりました。
上記写真は、吉野晒が終わった葛液を舟と呼ばれる層に流して一晩おいた後の工程で、上水を流した後にブラシで表面のあくを取っている仕上げの作業です。
この後葛をカットし、乾燥させれば、吉野本葛の出来上がりです。
1870年創業の天極堂は、この吉野晒による吉野本葛造りの伝統を今に伝え続ける老舗葛屋のひとつ。
奈良・京都を中心に全国の和菓子店や日本料理店に葛粉を卸すだけでなく、自社でも看板商品である葛湯をはじめ、
葛切りに葛餅といった和菓子から洋菓子、胡麻豆腐や葛うどんなどの食品まで開発。吉野本葛の魅力を広く世に伝えることに力を入れています。
このように根強い人気を誇る葛ですが、近年では葛をあまり知らない若者も増えてきました。
そこで地域商品ブランドを展開するirodori kintetsu(いろどりきんてつ)では、
奈良の名産品のひとつである吉野本葛の魅力をもっとたくさんの人に知ってもらおうと、
天極堂と共に葛を使った新商品の開発に挑戦。完成したのが今回ご紹介する「葛のとろみポタージュスープ」なのです。
選び抜かれた野菜
宇陀金ごぼうは、雲母が多く含まれる宇陀の土壌で育てられた伝統野菜。
肉質が柔らかでごぼう特有の香りが強いのが特徴。付着した雲母が光ることから縁起物としても珍重されてきました。
葛のとろみポタージュの楽しみ方
[Step1]
熱湯を注いでよくかき混ぜます。粉末が多めなのでしっかり溶かして!
[Step2]
電子レンジで約30秒加熱したのち、かき混ぜて完成
作り方はツーステップです。
[Step1]の段階でポタージュスープの状態に。さらに[Step2]を加えることでスープに透明感が出てきて、葛独自のとろみが現れます。
この変化こそ、皆さんにぜひ楽しんでいただきたいところ。完成したスープを飲んでみるとまず葛のとろみを感じ、続いて葛に包まれた豊かな野菜の香りと風味が舌に届きます。